- 小学館
- A4判、48ページ
- ISBN 978-4-09-726381-4
- 価格 1,680円
書店で見かけ、すぐさま購入したのが、7月14日のこと。発売日が8日だったので、22日の皆既日食まで2週間だ。もう少し前に出版されていたら、相当な売れ行きになったのではないだろうか。ともかく、子ども向けではあるが素晴らしい内容の本だ。黒田先生(兵庫県立西はりま天文台公園・園長)の推薦文「この本を読んでくれるきみたちへ」は感動モノですよ!
そして、それ以上に感動モノなのは本書後半の神話部分である。天照大神(最近の子どもには読めないらしい!)が主人公の天岩戸神話が紹介されているのは嬉しいが、アイヌラックルという青年神を主人公にしたアイヌ神話や、定期的に太陽を飲み込む首だけの悪神ラーフと最高神ヴィシュヌとの戦いを描いたヒンズー神話など、現代の子供にはほとんど未知の説話ばかりだ。
夏休みの読書感想文にピッタリだったはずだが、もう過ぎてしまったので、秋の読書週間にでも推薦するべきだろうか。基本的には絵本であり、神話の絵が素晴らしい。だが、日食が起こるわけを説明した図、日食経路図と説明文、日本で見える2035年までの日食一覧、世界で見える2016年までの日食一覧などは、さすが黒田先生の監修で資料としても正確である。ともかく日食関係の本の一冊としておすすめしたい。