- 小学館
- 17.3×10.9cm、222ページ
- ISBN 978-4098253395
- 価格 864円
西暦715年日本で実施された霊亀改元は、背中に北斗七星模様を持つ亀が出現したことによる、と本書にある。筆者はこの改元を亀改元と呼んでいる。柄杓はもとより、獅子の姿やオリオンその他、そう見るか見ないかは民族によっても違いますよと言いたいところだが、ともかくだからってナンなのさ、である。それよりも来年2020年12月20日木星と土星が僅か0.1度まで大接近する。残念ながら太陽の近くで起こるため見ることはできないが、これって大事件にはなりませんか? だって、60年に一度のことなのですよ。
実はこれが還暦の起源なのだ。いや、そればかりでなく、あのケプラーが、西暦前7年に起こったとされる同じ木星と土星の接近をベツレヘムの星説の根拠としたとされている。評者は、それがミラの異常極大だと主張しているが、未だにマイナーの説である。ともかく、昔だったら改元理由にされてもおかしくない来年の木星土星チョー接近が、話題にも上らないのは変だ。辛酉改元、甲子(ワードでもなかなか出てこない)改元、代始改元、イチャモン改元…、本書のように、歴史家が改元にこだわると本当に面白い。病気や天災などによる災異改元なら、現代だったらしょっちゅうですよ。明治・大正・昭和は、天皇が亡くなったから改元されたが、今回はそうではないでしょう? 昔はよく行われた。
賛成派も反対派も皆さん、本書をよく読んで考えてください。