- 新潮社
- 15.4×10.6cm、384ページ
- ISBN 978-4101212364
- 価格 680円
ステラナビゲータを使い、レグルスが黄経90度の夏至点付近にあって、かつ太陽が夏至点を通過する日がユリウス暦の紀元前2330年7月14日であることを確認し、またエジプトのギザで同年4月10日春分の日没1時間後ごろ、黄道光が地平線に直立することを確認したそのころに、書店で本書を発見した。そして、その中の189頁に衝撃的な写真も発見してしまった。三大ピラミッド中最大のクフ王のそれと第二位のカフラー王のそれの間に位置するスフィンクスの頭上に、燦然と輝く太陽が沈むという衝撃的な写真!
スフィンクスが表現するライオンがエジプトで多数繁殖する百獣の王であり、夏至点で太陽とレグルスが会合し、おまけに黄道光をモデルにしたと言われるピラミッドの中間点に位置するスフィンクスの真上に、春分ごろ太陽が沈むなどということが単なる偶然の一致だと皆さん考えられますか? この写真は古代エジプト史の謎を解く重要な意味を示しているように評者には思えてならない。そればかりか、オリオン座の三ツ星がサフという名前で呼ばれ、王様や冥界の神オシリスと同一視されたとか、シリウスがソペドという娘でオシリスと交わり、明けの明星を産んだという話も本書で初見のこと。ピラミッド内の通気口からアルニタク、シリウス、ツバン、コカブが見えることからピラミッドの建設年代が判るなど本書は雑学満載だ。エジプトファンだけでなく天文ファンにもお勧めの本です。