- 新潮社
- 288ページ
- 定価 1760円
退職(よく憶えていますよ、東北大震災を八王子市のプラネタリウム内で迎えたから)して11年、テレビをよく見るようになった。コズミックフロントのファンでもある。そこで評者は、渡部潤一先生と共に太陽系の旅に出た。そうしたら、今もって太陽系には無数の謎があるのだということが、明確に判った。火星が小さすぎる謎、小惑星帯に種々な種類の小惑星が混在している謎、天王星と海王星が生まれたのは今の場所ではない理由、幻の惑星が天王星と海王星を守り、太陽系内に引き留めた…などなど。
いやはや、驚くべき無数の謎が、太陽系にゴロゴロしているのです。読者の皆さん、いびきなどかいて寝ている場合ではありません。このため、日夜を問わず、場所も問わず、評者は本書を読み続け、本書に沈み込むことができた。このところ悪天候が続き、アルゴルもアルマーズもベテルギウスも測光がお休みであることも幸いした。いやぁ、太陽系って面白いですよ。
近年では冥王星より遠くに、冥王星より大きな天体が続々と発見されている。冥王星が惑星から外されて良かったですよ。くじら座内にあり-230℃とみられる謎のプラネット9、金属天体プシケ、全長800m、幅80mの棒のような外来飛行物体オウムアムア、これらほとんど全てが謎を秘めたままだ。これまで生きていてホントによかった!