- 中央公論新社
- A6判、222ページ
- ISBN 978-4-12-204926-0
- 価格 600円
すでにご紹介したパートIに続き、立花隆氏が1995年に出版された「宇宙を語る」の分冊出版パートIIである。パートIが宇宙飛行士のインタビューで構成されているのに対し、IIは作家アーサー・C・クラーク氏、惑星科学者松井孝典氏、心理学者河合隼雄氏、作家司馬遼太郎氏との対談で、本書の副題通りの含蓄あふれる内容だ。特に評者は司馬氏との対談「宇宙飛行士と空海」に深い感銘を受けた。宇宙飛行士が見て感じた地球の神秘が、土着の宗教観につながり、キリスト教の呪縛から離脱して空海に至ったという。新しい宗教観に圧倒される。宇宙でしか治癒できない病気について語る河合氏、政治家と官僚だけが宇宙に関心がないという松井氏、宇宙エレベーターについて熱く語るクラーク氏の話には、ぜひみなさんも耳を傾けてほしい。それと最後の編集部による用語解説は一読の価値がある。ケブラー繊維・ゼロポイントエネルギー・ペインズレポート・マランゴニ対流などなど、ご存じでした?