- 文藝春秋
- 13.5×19.8cm、238ページ
- ISBN 978-4163903224
- 価格 1,512円
おそらく21世紀初頭、天文学でも地球科学でもなく、最も発展した科学は系外惑星学になるだろう。ノーベル賞は、特に物理学賞は発見から受賞まで最低20年と言われているので、今年がペガスス座51番星に惑星が見つかってちょうど20年だから、近々にそれが発表されるに違いない。今若手の天文学者がこぞって系外惑星探しに関わりつつあり、昔ながらの天文学分野には人が不足しているとさえ言われている。
そんな折、誠にエポックメーキングなのが本書。従来からの地球科学の研究方法を大きく転換させ、それが地球だけに通用する手法から、これまでは足が届かなかった恒星世界に届かせる信念とは何なのかを考えさせる地球科学書、だと言い換えても良い。
だって、現在は海惑星として健在な地球が、10億年後には生命が棲めない環境になるなんて想像できます?ミニアースもスーパーアースも、生命の存在に適合しない恐れが高いことも知っていました?何より、太陽より寿命が短い重量級の恒星や、反対に寿命が極端に長い軽量級のそれについて、みなさんその惑星での生命の存在条件を考察されたことがあります?今やそれを考えることが可能になった、というより生命について考える際に必要になったことを、本書読後必ずや実感なさることだろう。
本書はなぜ?どうして?を考えさせる稀な大作である。熟読をお勧めしたい。