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金井三男金井三男さんによる書評

星ナビ星ナビ「月刊ほんナビ」に掲載の書評(原智子さん他)

編集部オンラインニュース編集部による書評

系外惑星の事典

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系外惑星の事典
 

  • 井田茂、田村元秀、生駒大洋、関根康人 編
  • 朝倉書店
  • 21×14.8cm、356ページ
  • ISBN 978-4254150216
  • 価格 8,640円

本書ほど購入に手間取った本は無かった。都内10個所の大書店を巡り、結局本書の出版元に辿り着いた。諸事情で出版が遅れたということだったが、それが善かった。日ごとに評者の中で期待が高まったからだ。しかも期待通りだった。というより、本書は天文学界で歴史に残るはずの本。今や天文学は、ブラックホールと系外惑星で成立していると言っても良く、その一翼を担っている分野なのだから。と同時に、第二章で記述されている生命についても、今やこれまでの生物学は、根底から覆される可能性すらありそうだ。生態学や動物学・植物学・分子生物学などという地球的視点は時代遅れで、宇宙的視点から見なければならないことが、本書の斜め読みだけでもよく判るはずだ。

もちろん皆さんは時間をかけて精読してください。評者も精読中で、未だに半分少ししか読み切りメモしきっていないが、そのメモたるや物凄い量になった。おかげで、ボールペンを10本近く消費し、USB内に整理する前のメモ帳は何冊もゴミ箱行きになった。だが、近々「星ナビ」連載の「こだわり天文夜話」にはその成果をご報告するので、どうぞお楽しみに。

ともかく本書を読めば、近年の系外惑星研究の進歩は、手に取るように理解ができる。決して易しい本ではないが、それだけに何十年も後から見返してみれば、当時でもこんなことまで判っていたのだという、天文学史の金字塔とでも言うべき本になるに違いない。

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