- 朝倉書店
- 171ページ
- 978-4254150223
- 定価 3080円
毎月行かせてもらっている丸の内のM書店の科学暑コーナーで、今回も大発見! 早速カウンターで購入し(ちょっと高価だったが)、電車の中で早速拝読。いやぁこんな内容の本初めてですよ。学術雑紙ならいざ知らず。とても入門書とは言うことができない。ともかく評者はこのような充実した内容の隕石の本をこれまで知らなかった。
第一章「宇宙の岩石の起源」から始まって、「(地球)岩石の基礎知識」、「宇宙をめぐる岩石たち」、「宇宙の岩石を取りに行く」、終章「生命(存在)の可能性のある惑星・衛星」と続く(かっこ内は評者が付加)。何度もこれまで申し上げてきたとおり、50年以上前の学生時代、天文学と鉱物学は最も離れた存在だった。同じ地学科には属していたが、まるっきり違う分野として見られており、学生達だけが交流し合っていた。本書から見れば今や同衾科学になったというわけ。まさに宇宙科学の発展による! もう「天文学と鉱物学」の時代は終わった! 中でも第7章の火星隕石・月隕石・水星隕石から、各天体の歴史が読み取れる話は感動もの。第8章の隕石の命名法にもおそれいった。本書によれば、なんと最も大きな隕石が落下した地点を受け持つ郵便局の名前が付けられるという。南極隕石の場合、発見された基地または山脈の名前に続いて2桁の発見年と通し番号3桁が付けられる。先日マンション玄関先に墜ちた隕石が習志野隕石と命名されたのは、この原則によるとのこと。面白いこと満載。