- 河出書房新社
- 19×13cm、224ページ
- ISBN 978-4309253619
- 価格 1620円
タイトルからご承知いただけるように、著名天文学者というより著名宇宙生物学者にインタビューした著作である。月刊「星ナビ」2017年4月号の「こだわり天文夜話」に書かせていただいたとおり、評者は21世紀が宇宙開発や天文学ではなく、宇宙生物学の世紀だと真面目に考えている。なぜ、評者に取材がなかったか怒りシントーというわけではなく、第一線の学者の皆さんにインタビューされたのは実にテキセツだと考えている。
実にそうそうたるメンバーである。そういった方々の全てが全て宇宙人、ではなく宇宙生命がいると信じ込んでいるのではないことを、本書記事から読み取って、ある意味では意外に思った次第。居ることが判っても、危険だから接触しないようにとか、出会えないだろうけれど宇宙のそこかしこにボコボコ居るだろうとか、我々は孤独でしょうとか、出会えないだろうけれど我々は孤独ではないはずだとか、利己的でその環境に合った生物だろうとか、何も食べずに知的活動ができるだろうとか、イヤハヤ千差万別を通り越して(18人しかいないが)専門家でもこれほどバラツキがある状況である。
その意味で面白い上に、今や破竹の勢いで進化しつつあるこの分野で、これほどの見方の違いがあることは、本書が歴史的価値を持つ書物であることを、見事に物語っている。意外な先生方がアッと驚く意見を披露なさっておられますよ!