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星ナビ星ナビ「月刊ほんナビ」に掲載の書評(原智子さん他)

編集部オンラインニュース編集部による書評

彼らはどこにいるのか 地球外知的生命をめぐる最新科学

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彼らはどこにいるのか 地球外知的生命をめぐる最新科学

  • キース・クーパー 著、斉藤隆央 訳
  • 河出書房新社
  • 384ページ
  • 定価 2970円

ここ10年、地球外生命体に関する書籍の出版が主に訳本で続いているが、本書はその中で最も優れたものだと評者は自信を持って言える。なぜなら、想像的SF的要素が全くなく、あくまで生物科学に徹した記述内容だからだ。今から半世紀以上前のイギリスで起こった「緑の小人事件」に始まり、パルサーの発見やSETI計画など、憶えておられる方も多いはずだ。だがその後多数の系外惑星が発見され、今や知識の整理整頓が困難になりつつある現代では、地球外知的生命はやや影が薄い存在になった。おまけに、SETI計画の推進役を担ったアレシボ電波望遠鏡も、読者の皆さんもよくご存じの通り、つい最近崩壊してしまった。一体、SETI計画は、その後どうなったのだろうか。その疑問に対する答えは、本書でつまびらかになる。そればかりでなく、本書最終章では21世紀のSETI計画が語られている。あぁ、未来に希望を持って生きられる皆さんがうらやましい。

その一方、本書ほか多数の宇宙生物学関係の本が出版されているにもかかわらず、依然として地球外知的生命はおろか宇宙生命の実態も明らかにされず、痕跡すら見つからないまま、小惑星リュウグウに有機物や水が見つかったということで一喜一憂しているのが人類の現状だ。一体彼らはどこにいるのだろうか。まさに本書タイトル通りの現状。そういう中で、ぜひ皆さんに本書を熟読いただき、夢多き天文学の道の一本を開いていただきたい。

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