- ニュートンプレス
- 27.6×21.2cm、192ページ
- ISBN 978-4315520989
- 価格 1944円
最近、評者は宇宙論の追求に忙しくて、寝ている暇がない。40億年後に必ず起こるというアンドロメダ座大銀河と銀河系(現在多くの天文学者達は天の川銀河と呼んでいるが、天の川と銀河は同じものの繰り返しではないかという疑念から、評者は銀河系を使い続けており、英語のmilky way galaxyよりOur Galaxyの方が優れていると思っている)との衝突合体とか、銀河団の散乱、ブラックホールだらけ、終焉・再生を繰り返し、現在の宇宙が50回目の宇宙、などなど宇宙の混乱ばかりか頭の中まで混乱しているからだ。
だから、その中でも最もわかりやすい本を一冊といえば、最近書の中では、間違いなく本書を上げることにした。科学書では、数式の扱いによって明快であることが左右されるが、本書にはその心配が一切ない。そもそも数式らしいものが記載されていないからである。それによってダラダラと文字の羅列が続く本が多いが、本書がわかりやすいのは、著者および編集者が宇宙論のポイントをよく押さえているからだと考える。
評者が関係しているあちこちのカルチャーセンターでも、最近は宇宙論に関心をお持ちの方が多い。受講生も様々で、写経をやっている方や日食やオーロラ旅行に行かれた方もおられるが、宇宙論はようやく人気を取り始めた。そういう方々に、隣の宇宙がぶつかってきたらとか、なぜこの宇宙に人間が誕生したかなどを本書に基づいて解説したい。