- 共立出版
- 14.7×21cm、130ページ
- ISBN 978-4320035263
- 価格 2,160円
出た!56ページ原始惑星系円盤の力学構造の説明中、∂P/∂Z。∂が即座に読める人向けの本。ラウンドディと読む。数学記号で偏微分を意味する。懐かしい人、今勉強中の人を含めて、プラネタリウム理系解説員は、全員これでへこたれてはいけない。これを理解できなくては、系外惑星を論じる資格はないとまでは言いませんが、他にも数カ所∂が登場するのが本書。すなわち、前書きにもあるとおり、惑星形成論は系外惑星が発見された1995年に大変革を遂げたのである。マイナーから超メジャーになったのだ。
たった今申し上げたとおり、本書評で取り上げる出版物の資格の一つに、プラネタリウム理系解説員はこういう本を読みなさいと言うポイントがある。本書はまさにその適格本。そして、これから系外惑星を研究しようという人にも、絶対お勧めの教科書である。ページ数は少ないが、普及書とは違っておそらく本邦唯一の系外惑星研究のための本である。もちろん、筆者にとっても、個々の系外惑星の特徴が紹介されたものは重要な情報源になっているが、本書のような基本書あってこそのことである。ところが、あまりに系外惑星に関する情報が短期間で溢れかえったために、本書のような基本理論書の出る余地が無かったようだ。その意味で、快挙である。今××検定が盛んだが、近いうちにこんな内容の問題が、特級問題として出題されるようになることを心から願う。