- 光文社
- 17.2×10.8cm、280ページ
- ISBN 978-4334043957
- 価格 994円
ブラックホールに関する本は最近多数出版されているが、本書は天文学的に最も判りやすく深掘りされた本であり、皆さんに是非お勧めしたい。評者はこの世に70年を超える期間生存しているが、神は最初からいないか、かつてはいたとしても既にブラックホールに落ち込んだ、と考えている。だってそうでしょう、この宇宙には、今や超大質量から中間質量、恒星質量、小質量ブラックホールまで、数え切れないほど大量のそれであふれかえっているのですよ。谷口先生、具体的ご教示どうもありがとう!
キリスト教に限定しただけでも、唯一神と今でも信じられているヤハウェ神は、古代イスラエルの中期から戦闘神としてこの世に出現(誰も見たことはないが)と言われている。だが、我が日本には八百万の神がいたという。その他、世界各地には民族毎に別々の神々がいるにも関わらず、光学的に姿を現さない。こんなことってありますか? 天国や地獄も、宇宙科学的にはいまだにどこにあるか判らない。対してブラックホールの存在は、今や本書に確証されているように明白である。
それはともかく、少なくともブラックホールは神様が造ったのではなく、宇宙自体が造ったことや、10100年後に宇宙がどうなるかなど、はなはだ面白い話題が本書には満載されている。さぁ、今晩から当分眠れなくなりますよ。皆さん、覚悟してください。