- 光文社
- A6判、229ページ
- ISBN4-334-78438-0
- 価格 840円
本とは中身を読むものであることは当然だが、著者をも読むものであると評者は考えている。著者とはかなり以前に研究会等で数度お会いし、お話をうかがわせていただいた程度の知己しかないが、その優しいお人柄や科学に対する真摯さなどは、評者が判じる資格もないほど立派な方であることは、本書を読まれた全ての方々に同感いただけることだろう。1998年に出版された本を、昨年一部加筆修正、写真・図版を差し替えて文庫化したものだ。評者は9年前の版も出版とほぼ同時に購入し、勉強させてもらった。ビッグバンから銀河形成、恒星の誕生と死、人類の誕生、ブラックホール、南米アタカマ高原でのNANTEN2やALMA計画などの説明は大変わかりやすく、著者が日ごろ普及活動に腐心されている姿を強く読み取ることができる。小冊子に関わらず、12ページも割いた巻末の「主な用語解説」も、親切で大変わかりやすい。通勤通学途中で勉強することをおすすめしたい。