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星ナビ星ナビ「月刊ほんナビ」に掲載の書評(原智子さん他)

編集部オンラインニュース編集部による書評

宇宙エレベーター その実現性を探る

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宇宙エレベーター その実現性を探る
 

  • 佐藤実 著
  • 祥伝社
  • 17.2×10.8cm、248ページ
  • ISBN 978-4396114756
  • 価格 864円

今から半世紀以上前の1957年10月4日、当時のソ連がスプートニク1号という人類初の人工衛星を打ち上げた。評者はその翌日我が家の(というより日本の)上空を通過するそれから発信されるラジオ電波が、徐々に大きくなりやがて消えていくのに耳を傾け、得体も知れぬ感覚に見舞われたことを未だに憶えている。なにしろ若干11歳の誕生日だったからだ。もうすぐ宇宙時代になるんだ! というときめきだった。

実は、本書を読んで、もうすぐ宇宙エレベーターの時代になるんだ! というときめきを感じている。最寄り駅は勿論、マンションでも極力エレベーターを使わずに、階段を上下する評者だが、重力に対抗するために無理があるロケットは使わずに、宇宙エレベーターを利用して月や火星に行こうとは決心している。もっとも、それまで生存しているかがとりあえず問題だが…。兎も角本書によれば、今やナノカーボンチューブも実用化に近づき、決して夢物語ではなくなった。第6章「宇宙エレベーターが開く未来」をぜひお読みください。費用は兎も角、夢は膨大に溢れる。なにしろ兵器として開発されたロケットではなく、まさに平和技術利用ですよ。観光バスですね。というより、本書に述べられているように、宇宙太陽光発電を実用化するのが宇宙エレベーターだという発想は、本書を読むまで評者は恥ずかしながら思いつかなかった次第。ぜひ多数の読者の出現をお願いしたい。

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