- 昭文社
- B6判、207ページ
- ISBN 978-4-398-14307-5
- 価格 840円
書名からわかるように1冊丸ごと天文の本ではない。だが、狭い我が日本列島に、これほどたくさんの天文現象の鑑賞地があったのだと再認識させてくれ、、自由の身になった暁にはぜひとも訪れてみたいと願うほど、豊富な話題が満載の本である。たとえば、鳴門の渦潮で月の偉大な力を認識し、山形県酒田市で見られるという日没時のグリーンフラッシュ、高知県室戸岬のだるま型太陽、北海道東部のワイングラス型太陽、北海道などの寒冷地で見られるサンピラー(太陽柱)。銀河の森天文台(北海道陸別町)が有名ポイントの低緯度オーロラなどがおすすめ。
その他、各地で広く見られるサンドッグ・モックドサン(ともに幻日のこと)、環天頂アーク・環水平アーク・月光環・ブロッケン(光輪)・ニ重富士(千葉県北西部で時折見られる珍現象)などなど、あちこちに転がっているのですね。
中でも北海道摩周湖で撮影されたアース・シャドー(地球影)写真などは、評者がアストロアーツ社から出版させて頂いた「金井三男のこだわり天文楽」でもご紹介させていただいた珍品中の珍現象。評者はぜひ見てみたいと思っている。そんな天文気象現象が、手際よく案内されているおすすめの本である。