- 誠文堂新光社
- 15×14.8cm、79ページ
- ISBN 978-4416115404
- 価格 1,080円
本書は写真集である。従って本文といえそうな文章は2頁しかない。だが反面、写真は素晴らしい!の一言に尽きる。感嘆符を2つも3つも付け加えても良いほどだ。編集者の及川さんや田淵さん他、ベテラン天体写真家たちが選りすぐった流星と流星群写真だけなので、もうホレボレとするばかりのもの。表紙も裏表紙も、である。
評者は、これまでにも何度もお話したとおり、首都圏各地のカルチャーセンターで、それなりのお年の方々に天文話を紹介してきたが、流れ星を見たことがあると答えた方も、多くの流れ星が緑色を呈していることはご存じなかった。そこで、入手後直ちに本写真集をお見せしたところ、早速買って家族に見せて、今年のペル群をみんなで見に行きたいと、大多数の方々が口をそろえた。
本書の流星写真を見ると、直ちに発光点(高度120〜100km)では緑色で、消滅点(100〜80km)では白・黄・赤っぽくなることや、対地速度の違いで遅いものほど赤みが増すことが判る。群流星の中に無関係の散在流星があることも判る。要するに本文の必要はないのだ。要は読者のみなさんの科学的に考える頭だけあれば済むこと。これは価値がありますよ。評者も××高原や△△山の山荘で眺めた流星を、たっぷりと思い出してしまった。ご家族皆さんで、本書はお楽しみください!