- 誠文堂新光社
- A5判、219ページ
- ISBN4-416-20515-5
- 価格 1,470円
天文学の基礎から最新の話題まで手際よくまとめられた本で、中学生以上の人向けである。特に「補足」「キーワード」欄が、国立天文台で天文普及の仕事に当たる監修者の意向が読み取れて、とても面白く、書名どおり天文学が楽しくなる本だ。TIPSとしてちょうど100の話題が採り上げられ、見開き2ページで1項目ずつ完結している。このような書面構成と、内容の幅広さとで、1項目記事に物語的起承転結を望むことはもちろん無理で、天文百科事典の入門版として、楽しく読むのがよい利用法だろう。特にこの手の本では、最近はほとんど省かれる暦に関し、特にページを割いているのに良い意図が感じられる。
写真・説明図版とも美しくかつわかりやすく、価格はふさわしい。妙に子供向けだったり、教育意識過剰だったりで、偏りがちな一般向き天文書の中で、評者の卒業校の後輩が関係者に2人もいることを抜きにしても、みなさんに広くおすすめできる良書である。