- 誠文堂新光社
- B5判、111ページ
- ISBN4-416-20713-1
- 価格 1,680円
星座早見盤を買って、使い方を読みこなして、いざ夜空を見上げてもサッパリ星座がわからず、やむなく近所のプラネタリウムに飛び込んで、今晩××時頃どちらにどんな星座が見えるはずかを記憶し、家に帰って見上げてみても、ヤッパリ星座はわからないと嘆く方が結構多い。その最大の原因は、本当の空における星座の実寸(拡大率と申し上げるべきか)が、早見盤でもプラネタリウムでも明確に認識できないからだ。
評者でさえ、ドーム北側にある解説台から見たさそり座の小ささや北斗七星の巨大さに、今もって面食らう。こんなチッポケじゃないしデカくもない。有名な洋書にゲンコツで星〜星間の角距離を示す方式があるが、それを生かしたのが本書である。 例えば、春の大三角が各辺ゲンコツ3個半、夏の大三角の三辺がそれぞれ4個と3個半と2個半、ペガススの台形が、下の辺は1と3/4個で上の辺が1個半、冬の大三角のうち一辺が2と3/4個で二辺が2個半といった具合。初心者には角度で30度とか60度とか言うよりも、ゲンコツで3個とか6個などと説明したほうが絶対によい。おおぐま座は北斗七星で覚えるよりも脚の爪で…とか、うみへび座は頭をつくる星の並びで…など、ベテラン解説員しか使わないウラ技も紹介されている。
なんとか星座を見つけようと苦労なさっている方には、広く本書をおすすめしたい。