- 筑摩書房
- 17.2×10.6cm、283ページ
- ISBN 978-4480069276
- 価格 950円
就任直前になって、やっと初めて記者会見を行ったが、あるジャーナリストを侮辱するというとんでもないことをやったおそらく史上初の大統領というレッテルが近々貼られるだろう人物の話題で持ちきりの日々が続いている。ともかく、報道は近現代の大きな特徴である。特に科学報道は、公平さと中立性、正確さとわかりやすさが必要とされているはずだが、STAP細胞(第1章:分量49頁)や原発事故(第2章:85頁)など、ここのところミソを付けてしまった報道が事欠かない状況になっている。
中でも評者は、本書第3章(51頁)に記されている地球温暖化問題が、ダントツに問題であると思っており、カルチャーセンターでの講義に際して、受講者の皆さんに「くれぐれもテレビのニュースショーや新聞が伝えていることを丸呑みにしないで」とお話ししている。おそらく本書は、日本のジャーナリストが初めて温暖化懐疑論を本格的にかつ公平に取り上げた初めての本ではないかと思う。温暖化懐疑論は、IPCCの強い圧力で現時点でもマイナーな状況下にあるが、そもそもいくら地球が温暖化したにしても、周囲の宇宙(太陽系)空間が太陽活動の低調化で寒冷化しているなら、影響を受けることが必至であることがなぜ想像できないのだろうか。過去にもありましたよ。無黒点期が小氷河期につながった事実が。ぜひ皆さん、本書を読んでじっくりと考えていただきたい。