- 筑摩書房
- 17.2×10.6cm、186ページ
- ISBN 978-4480069719
- 価格 907円
五島プラネタリウム→…→…→東急コミュニティー(…は本書著者紹介を参照されたし)は評者と同じ。要するにカリスマ解説員が書いた星空の楽しみ方を披露した本。だが、評者としては、星空よりも解説員業の喜びと苦労を本書から汲み上げていただきたい。なぜなら、投影の毎回(一日数回)一人対数百人というお客様に対して「満足」という結果を得ることは、実は並大抵のことではないからだ。毎日変わる解説内容に行き詰まることはもちろん、想定が難しい様々なトラブルの即座の解決、お客様からの予想外の反応など、解説員業を全うすることは意外と大変なんですよ!
だから、こだわり天文書評家としては、まず最初に第六章「プラネタリウムの裏話」から読んでいただきたい。こんなことを書いた本、これまで無かったですから。実は、評者は著者が五島に採用となった面接試験に立ち会った者。ひょんな事に、その直後評者は五島を去り、結局一緒に仕事はしなかった。だから、本書に評者の名前は登場しない。しかし、面接の際にピンと感じた著者の感性に対して、遠い彼方から応援していたのである。
もちろん一般の方には、解説員誰もが望んでいる星空観察(できれば観測)の楽しさを本書のあちこちから汲み上げてくださることを、著者は一番望んでいるだろう。それは第一章から第五章までのどこを読んでも発見できること。解説書として、皆さんの本棚にぜひ!