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Book Review

金井三男金井三男さんによる書評

星ナビ星ナビ「月刊ほんナビ」に掲載の書評(原智子さん他)

編集部オンラインニュース編集部による書評

皆既日食を追った夏 全国21拠点をつなぐ挑戦

表紙写真

  • 東海大学皆既日食観測プロジェクト実行委員会 編
  • 東海教育研究所
  • 20.8 x 15cm、119ページ
  • 2009年11月
  • ISBN 978-4486037125
  • 価格 1,470円

2009年7月22日の皆既日食を、全国に21ある東海大学とその付属学校が連携して観測した記録集。北緯28度12分、東経134度33分の洋上での観測船「望星丸」(実は評者も大昔に私立学校教職員の地学研修で乗船したことがある)が舞台の中心となっているが、北は旭川から南は西表島まで全国各地での記録が報告されている。理系を中心とした東海大学ならではのイベントだ。

観測船を持っている大学ゆえ、皆既帯への航海を報告した記事はとりわけ面白い。大学らしく日食に関する事前講座が船内で開講されたことや、船酔いとの切実な戦い、晴天を求めての航海など、とてもユニークだ。

もちろん陸上の各地での、特に子供たちへのレクチャーも含めた観望会記録も、普及活動に携わる人々には大変参考になるものだ。ある天文現象をみんなで追求する大切さを本書は見事に描き出してくれている。

また、ビデオネットワークの再構築やカメラなどの設備不足、あるいは画質の向上などの必要性が生じてその対処に苦労したことなどは、2012年の金環日食などで今後同様の計画を考えている人たちにとっても参考となるだろう。これも、やはり理系の教職員の方々が多い東海大学の強みといえる。

評者が購入した初版には、望星丸での日食観測航海の映像記録DVDが特典としてついていて、得な気分を味わえた。

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