- 日本実業出版社
- A5判、179ページ
- ISBN 978-4-534-03491-5
- 価格 1,680円
つい最近、歴史と伝統を誇る有名某光学メーカーの部長さんが嘆いていた。この頃の新入社員は、望遠鏡筒内の黒塗りと遮光版設置の理由を知らないのですよ!それも当然、いまや高校で光学はほとんど勉強しないと聞く。そんな時代の中、カメラや望遠鏡だけでなく、ドアスコープをはじめ赤外線センサー、CDやDVD、FAX、スキャナーや液晶プロジェクターまで、レンズを使った機器はめちゃくちゃ多い。この本が3年間に10回も版を重ね、人気を博している背景には、レンズに関する入門書が僅少という事情がありそうだ。
コラム欄にレンズに関する話題を配置し、評者も持たなかった知識を豊富に提供してくれ、しかも基礎から最新知識まで紹介してくれる親切な本だ。レンズの基本は当然網羅され、図解で分かりやすく、見開きページで読みやすく、基礎知識については練習問題も用意されている。高校生以上の方におすすめだ。筆者も説明図を描くときにちょくちょく利用している。