- 日本評論社
- 21.8×15.6cm、304ページ
- ISBN 978-4535607446
- 価格 3888円
ある先生に言われたが、それは1000年か1万年先の話。慌てるものではない。だが、今やらなくては誰がやると思っている評者。今年1月早々慌てましたよ、何しろ都会の空では辛うじて見えるというほどベテルギウスが暗くなった(1等を切った)のだから。その後幸い(?)持ち直し、0.5等台まで復活、ベテルギウスからのガンマ線照射、現時点でジェットが吹き出るだろう自転軸方向が20度地球方向を外れていることから、不安にならなくてもよいとされているが、本書評をご愛読いただいている皆さんには、今(から永遠に)ベテルギウスとお付き合いいただき、可能ならその臨終をご確認いただきたい。
冗談はこのくらいにして、これまでガンマ線バーストについて、正面から向き合って紹介してくれる専門書を評者は見かけることがなかった。それは、超新星爆発自体が希(1等星の超新星爆発に至ってはベテルギウスが人類史上初でアンタレスがその次)であること、全ての種類の超新星でガンマ線放射が起こるものではないことなど、今でも謎が多い。だが近年、ガンマ線に伴う重力波がいくつも見つかり、その研究が格段の勢いで発展したおかげでその実体が明らかになり、300ページに及ぶ大書が完成したのだ。
もちろん素人向けとは言いがたく、簡単に読了もしがたいが、的確に申し上げてバイブルであり、書棚に常備しておくべき本である。必要に応じて参照いただきたい。