- 日本評論社
- 13.2×19.5cm、311ページ
- ISBN 978-4535787933
- 価格 2,592円
新宿の書店で購入後、電車の反対側の座席から本書表紙をジロジロ見つめるおばさんが気になった。どうやら大書された「宇宙を…」がではなく、表紙を大々的に飾る著者の写真が原因らしい。カバー裏やグラビアなどあちこちにその肖像写真が配置されているので、金髪美人写真をご覧になりたい方に特におすすめ!は、全くの冗談。
要するに、ダークマターの写真がほとんどないことが原因だ。ただし、本書のあちこちに、それが存在しないと説明不可能な天体現象の写真はある。今や、そういう時代になったことが、本書読後一番の実感となる。と同時に、評者は読み始めから、ある厄介な事柄にはまってしまった。エクセルで略号・略語辞典を編纂し始めたのである。
みなさんは、HSTやNASA、JWSTやESA、MACHOやWIMPはご存じのことだろう。NHKやWZA、UNESCOやFIFA、IMFやJPB等々、この類の言葉は巷に溢れかえっている。昔は辞書の巻末につまみ程度に付いていたが、今や専用の辞典が必要になる程の勢い。評者(私)はそれが元素記号や星座略号から始まったと見ており、いずれ星ナビでまとめめさせて戴こうと準備している深いものなのだ。
本書の中にもそれが何語も登場するということが、本書が最新の、そして最深の天文書であることを示している。ぜひお読みいただきたい。巻末掲載の注記も勉強になりますよ。