- PHP研究所
- 四六判、246ページ
- ISBN 978-4-569-69250-0
- 価格 500円
表紙を見ずに本文を読まれたら、本書を小説と確信する人が絶対いるに違いない。一見どこにでもあるような雑学本体裁の表紙が、とても悲しい! シリーズ化するための販売戦略が背景にあるのだろうが、もう少し、本書のすてきなイメージを盛り立てるような形にしてもらえないだろうか。それはともかく、少年である主人公が、著者本人の実際の姿をモデルにしていると思しきおじさん天文学者と織りなす会話で、舞台は進行する。本書はテレビ・ドラマのシナリオのように、一気に読めますよ。もちろん内容は、国立天文台の教授で、東北大を卒業され仏・独・英に留学、日本天文学会欧文報告編集長を歴任されたバリバリの天文学者の著書。当然確実で高度ですよ。これまた、一見雑学本にはふさわしくないと考える。特に評者には、最終章のケンタウルス座α星とハビタブルゾーンの話が勉強になった。ともかく、有本先生、絶対小説家としても大成するに違いない。