- PHP研究所
- 15×10.6cm、258ページ
- ISBN 978-4569768304
- 価格 821円
本書は評者の自宅近くの小書店、要するにコンビニで購入した。従って廉価である。だが中身は大変濃い。子供は一日が短く一年は長く感じ、年寄りは一年が短く感じるとか、死ぬ直前一瞬、一生が走馬灯のごとくに蘇ることを西洋ではパノラマ記憶と呼び、研究が進んでいる、高体温では時間経過を長く感じるなど、生活に密着した時間の話題や、生体時計などの生理的時間、そして我らの宇宙論に直接関係した時間や時計に関する話題、さらには、相対性理論やタイムマシン「ウラシマ効果」、時間の始まりと終わりという、宇宙内にいる以上、議論と理解が避けられないことについても書かれている。こんな小冊子でわかりやすく説明されている本に、評者はこれまで出会ったことがない。大書店さま、馬鹿にすることなかれである。間違いなく、人に話したくなるはずだ。
ウラシマ効果とは、もちろん誰もが知っている浦島太郎のお伽噺(読めます?「おとぎばなし」)、この双子のパラドックスのキーワードが「折り返し点」であることを、評者は本書で初めて知った。詳細は本書206〜208頁参照。また、タイムトラベラーが二本のコズミック・ストリングの周りを周回すれば、タイムトラベルが可能であることも214〜216頁を参照されたい。皆さんは、時刻がどこで測定されているか、ご存じですか? 電話局や放送局ではありません。天文台なのです! ご購読を。