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編集部オンラインニュース編集部による書評

人類が進化する未来 世界の科学者が考えていること

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人類が進化する未来 世界の科学者が考えていること

  • 大野和基 訳・編
  • PHP研究所
  • 178ページ
  • 定価 1012円

評者が入手したのは発売から7か月後の2022年4月、気づくのがやや遅かったが、とても良い本なのでご案内したい。

8人の英米の科学者を取材対談した記事を纏めた本で、観測宇宙論のリサ・ランドール、宇宙生物学者のチャールズ・コケル、宇宙物理学者のマーティン・リース、宇宙生物学者のジョナサン・B・ロソスが宇宙関係者だ。いずれも面白い内容ですよ。対してインタビュアーの大野和基氏は、おもに米国で活躍されている方である。

評者の特にお勧めは、ダークマターと隕石衝突による恐竜絶滅、人類の進化を詳細に論じたハーバード大学物理学教授ランドールのインタビューだ。普段はいわゆる宇宙物理学を研究されている先生だが、その範囲は宇宙に関わる全般である。わずか200ページ弱の本書でもその造詣の深さは推察できる。今や天文学界でもその実在性は誰もが信じているダークマターやブラックホールについては、いとも簡単に説明されている。原子論などへのかっぱである。また、現代重力論についても適切なサポートが成されている。本書を読んでみる価値が大いにあるのです。エイリアン(プラネタリアン)についての考えも参考になります。評者も昔、一人のプラネタリアンでしたが…。

生物の進化が宇宙の必然性に支配されている説(コケル)や、今後起こる世界大戦は数分で終了する説(リース)など、皆さん是非とも真剣にお考えを。

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