- 有斐閣 刊
- 15.3×21cm、314ページ
- 2015年1月
- ISBN 978-4-641-12572-8
副題のEntrepreneurという語を知らなかったので辞書を引いたところ、「請負師・起業家・興行主」だという。本書は完璧な5名の法律家集団が著した専門書でありながら、これからの人類が避けて通ることはできない宇宙時代を生き抜くための入門書である。
絶対的真理を探ろうと科学を学び、これまで法律とはまるで無縁だった筆者(もちろん宇宙ビジネスを始めようとする気持ちはサラサラ無い)も、法律家ってこういう考え方・捉え方(相対的真理ではあるが)をするのだ!と勉強してしまった。しかもそれが、国際協力下にこれからの宇宙開発を進める際に、絶対的必要条件であることがよくわかってしまった。
緻密な法律的議論が繰り返されているため、本書を完璧に読み通し理解することは多分法律の専門家でも至難の業だろうが、いやぁ、まさしく面白い。スペースデブリは国際問題そのものであり、またISSこそ国際間協力のシンボルであり、故に宇宙での活動に法律が必要なのであることが、本書を読んで初めて理解することができた。
その上で、まだまだスタート台上ではあるだろうが、地球上だけのビジネスを考えていただけでは、これからの人類のためにはならないということも理解できたのだ。こういう時代になったのですね!と心底から思うことができた好著である。