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Book Review

金井三男金井三男さんによる書評

星ナビ星ナビ「月刊ほんナビ」に掲載の書評(原智子さん他)

編集部オンラインニュース編集部による書評

暗闇のなかの光 ブラックホール、宇宙、そして私たち

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表紙
暗闇のなかの光 ブラックホール、宇宙、そして私たち

  • ハイノー・ファルケ 著、イェルク・レーマー 著、吉田三知世 訳
  • 亜紀書房
  • 480ページ
  • 定価 2970円

副題を見れば判るように、本書は純然たる科学書・物理学書である。そして宇宙における人類の立ち位置を示した本でもある。もう少し踏み込めば、哲学書・これからの宗教書と言っても過言ではない。したがって、漫画本などを楽しまれる方には、少々眠くなる本かもしれない。しかし、たまにはこういう本を読みふけっていただきたい。人生は真面目に生きるべきモノだから。

長い時間がかかったが何とか本書を読み終わって評者がまず獲得した感想は、ブラックホールってオモシロイじゃないかである。今までどこにあるか判りようがなかった天国は、どうやらブラックホールの中心にあるのかも…である。2019年4月10日15時7分にベルギー・ブリュッセルのESO記者会見室で発表されたM87銀河のそれは、評者に言わせれば人類史上初の革命的映像だった。本書カラー図版1は、額に入れて取っておきたいほどのもの。インターネットなどで現今では容易に入手できますよ。その他、多数の図版も歴史的に良い写真ばかり。

著者は、オランダの宇宙物理学者で大学教授。同国で最高の科学技術者に送られるスピノザ賞を2011年に受賞し、2021年ヘンリー・ドレーパー賞も受賞した凄い学者である。ブラックホールを画像でとらえようとした功績を称えてのこと。一言で言って素晴らしい本。

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