- アスキー
- A4変型判、128ページ
- ISBN4-309-49603-2
- 価格 1,580円
非常に不思議なことと考える。今年が大変重要なアニバーサリー(周年)なのに…。1957年10月4日、ソ連は人類初の人工衛星スプートニク1号を打ち上げた。それを一般向け出版事業でみなさんに広く知らしめているのが、評者の知る限り本書のみ。イベントらしいイベントが国際的に企画されていないのは、当事国が政治的にも精神的にもスプートニク・ショックと呼ばれる大打撃をこうむったアメリカでなく、今はなきソ連だからだろう。本書はそれだけでも見識と価値が高いが、過去現在未来の宇宙開発について端的にまとめ上げていることでも、辞書や百科事典的に座右の書とすべきである。近年の多岐にわたる状況がわかりやすく展望でき、軍事衛星・失敗した衛星などを除き、人工衛星をほぼすべて網羅し、一般読者に引きやすい年鑑・資料として利用価値は高い。評者が持つ別資料と対照した限りでは、誤植やミスは見当たらず、信頼できる資料。広く購読をおすすめしたい。