- アストロアーツ
- A4変型判、112ページ
- ISBN 978-4-7561-5079-0
- 価格 1,659円
明治・大正・昭和・平成各年代の科学図鑑をみると、そこに科学史を見ることができる。例えば地動説の説明図でも、冥王星発見前と後の図は大違い、当たり前だが。その意味で、本書は2008年初頭を代表する図鑑となった。もちろん、太陽系外縁天体・系外惑星の掲載からにほかならないが、例えば各探査機による火星写真からの水存在の証明や小惑星の接近写真など、つい数年前の図鑑ではお目にかかれなかったものだからだ。図鑑とはいえ、決して本書は子供向きではない。
近年、わが国天文雑誌の主な購読層が、昔天文少年少女だった層に「移行」しているという。いや「成長」したというべきか。真に科学がわかる年代になったのである。その年代層にふさわしい説明がなされた価値の高い図鑑なのだ。理論や数式も大事なことは申し上げるまでもないが、右脳や左脳をフルに活用できるビジュアルな図鑑は、頭脳にすっきり入ってくれるので科学にたっぷり浸ることが可能である。どなたにもおすすめしたい。