- 恒星社厚生閣
- 18.8×12.8cm、74ページ
- ISBN 978-4769915942
- 価格 1,836円
評者もたった2回だが、南天を見に行ったことがある。初回はまだ北半球のグアム島。時代は1976年12月で新婚旅行。二回目はオーストラリア。1986年2月でハレー彗星観望会のガイド。いずれの時も時季外れのサザンクロス(最良の時季は5月)を見て、世界観が変わった。椰子の葉陰…と仰け反る程の高さの…南十字星。あぁやっぱり地球は丸かった! 渋谷に戻ってツァイスの世界星座教本を見ると、それがエイやヒラメ、魚採り用モリ、網、駝鳥(南十字)を狙う二匹の野獣(ケンタウルス座αとβ)等々、一見して南半球居住民が考案したものばかり。40年前、筆者の星座史探索が始まったのだった。
本書を読んで(読み切るのに数十分もかからない)星座史=民族史観が蘇り、おそらく本コーナー読者の皆さんも共感していただけるだろうことを願って、ここにご紹介することとした。分厚い本でもなく、従って飛行機に楽に持ち込める本でもあり、かつまた判りやすい星図もふんだんに描かれ、どなたにも気軽に読むことができる文体で書かれた本書は、旅先のホテルでベッドに昼間寝転がりながら読みふけり、夜は外の満天の星の下で、日本では見られないいて座の銀河中心を眺めながら、あるいは逆立ちオリオンを見ながら、星空三昧と行きましょう!
本書著者のように星ガールでなくても、欲しがる本であること間違いなし。