- 技術評論社 刊
- 25.4×18.2cm、128ページ
- ISBN 978-4774177182
- 価格 2,570円
副題に「図解+写真でばっちりわかる」と書かれているように、本書は基本的に図鑑である。だから種々な説明図は勿論、肖像画が著名有名人以外でも、ターレス、アナクサゴラス、アリスタルコス、レーマー、ルメートル、リービット、ゲラー、ボース(内2名は評者も初対面)など盛りだくさん。価値の高い図鑑(写真集)である。中でもニューヨークタイムズ紙に掲載のアインシュタイン自筆の「場の統一」に関する記事(勿論英文)は、字が小さいけれど必見(必読)の価値有り。
あいにく本書出版後に2個のブラックホール合体で生じた重力波の発見(間違いなくノーベル賞もの)が報じられたので、本書にその記事はないが、宇宙誕生直後に生じた原始重力波に関する記事はある。評者は宇宙論ものの本について、最近幾つかのキーワードに注目している。例えば、138億年とビッグリップ(ビッグクランチも)である。137億年だったり、140億年だったら、本書評ではご紹介しない。ビッグリップが登場しない場合も同様。138億年はほぼ確定。他の本によればビッグリップも50%の確率だそうだ。当然本書中には(断定はされていないが)それらがある。図鑑として、子供向けではないのです。本書は、インフレーションをはじめ、ダークマターやダークエネルギーは常識、M理論、多元宇宙、泡宇宙、無からの誕生など、最新宇宙論で溢れている!