- くもん出版
- A5判、99ページ
- ISBN 978-4-7743-1346-7
- 価格 1,260円
本書は、今夏の青少年読書感想文全国コンクール向けの課題図書(小学校高学年の部)でもある。宇宙や天文に関係する課題図書は、藤井旭氏の「星になったチロ」(ポプラ社)以来23年ぶりだという。しかし、子ども向けと思って本書を開いたら、きっと驚くに違いない。宇宙観の変遷や惑星発見の歴史、海王星以遠の天体の発見など、冥王星が惑星の座から外れることにつながった背景が、少ない文量の中で見事に解説されているからだ。2006年夏の国際天文学連合総会における惑星定義の議論のようすも紹介しているところが、現役の研究者らしい。タイトルの問いには、副題である「科学の進歩は宇宙の当たり前をかえていく」が明解な答えになっている。本書を読んだ子どもたちが、科学の進歩の場に立ち会ったという実感をもってくれればうれしい。