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金井三男金井三男さんによる書評

星ナビ星ナビ「月刊ほんナビ」に掲載の書評(原智子さん他)

編集部オンラインニュース編集部による書評

宇宙開発は平和のために 宇宙の軍事化に乗り出した日本

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宇宙開発は平和のために 宇宙の軍事化に乗り出した日本
 

  • かもがわ出版
  • 13.5×18.7cm、174ページ
  • ISBN 978-4780307634
  • 価格 1.836円

本書は第一に政治家に読んでいただきたい。せめて本書95頁記載の平和という大儀が非軍事→防衛→安全保障へと変化したことを噛み締めるだけでも良い。次に宇宙科学を愛してやまないみなさんは全般をくまなく(終章「宇宙開発は平和のために」は特に)読んでください。宇宙開発関係者は特に第4章「軍事化が進む日本の宇宙開発」の読後、幾らかでも反省して欲しい。世界的に著名な天文学者・宇宙物理学者、かつ平和活動家であられる(詳細は本書著者紹介で…)著者の心底からの願いが本書に結実しているからだ。

部外者である評者から見ても、最近の政治の動きは右傾化の極み。これ以上右に行ったら、平和は憲法から消え去るのが現状だ。評者は、本書前書きなどにあるように、1954年糸川英夫先生らの努力によるペンシルロケット発射で宇宙開発が始まった時から宇宙開発は平和目的に限るという国会決議があったことを、恥ずかしながら初めて知った。

だが今世紀に入って雲行きが変わり、更に2008年の宇宙基本法成立で軍事利用が始まり、今に至っている。詳細は本書でお調べいただくとして、宇宙に飛び出すためにロケットを使わざるを得ないのは、現状では仕方がない。だが、ミサイルも目的地こそ違え、ロケットである。大国や大企業がそれに大金を出している現実から、決して目を背けるべきではない。本当に考えさせられる本である。

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