- ソニーマガジンズ
- 四六判、541ページ
- ISBN4-7897-2452-2
- 定価 2,100円
今年は人類初の人工衛星打ち上げから50年。宇宙開発節目の年に読む一冊として、この本を強くおすすめしたい。月着陸一番乗りをかけてしのぎを削った米ソ双方の宇宙飛行士によるドキュメントだ。米国のD.スコットとソ連のA.レオーノフの回顧録が交互に繰り返す形式で、双方の違いと共通点がはっきりと見えてくる。
大活躍した宇宙飛行士が自ら語っているだけあって、ミッション中の描写がこれほど臨場感にあふれている本はまれであろう。もちろん、冷戦を繰り広げる米ソの内幕も彼らの視点から語られているが、そこには常に血の通った人間たちの姿がある。宇宙飛行士たちの姿勢はまるでトップクラブのスポーツ選手みたいで、すがすがしささえ感じられた。