- 晶文社
- 四六変形判、276ページ
- ISBN4-7949-6699-7
- 価格 1,890円
「パラサイトイブ」や「虹の天象儀」などを代表作とする作家で薬学者の著者初の50あまりのエッセイ集。大変気軽に読むことができるが、著者の科学や文学、そして教育などに対する感性溢れる見方や意見が至るところに読み取れて、面白い。特に著者が小さい頃育った米国での数々のエピソードのうち、初めてご覧になったというフランクリン科学博物館プラネタリウム(の機械)に多大な影響を受けられたためか、プラネタリウムや宇宙に関するエッセイが全篇の1/5を数える。評者は感動と同感のあまり、会社内々の会合で、その一遍「星空を映し出す」を朗読してしまったほどだ。確かにアニメ・キャラクター使用エデュテイメント番組はよくできているが、プラネタリウムでは、お客様にもっと星空を堪能戴くべきという主張は重く、高校文化祭の投影で解説役生徒が星空と投影装置を愛している顔をしていた、それが今、実現できていないという感想は正にその通りだ。