- 彩図社
- 212ページ
- 978-4801304420
- 定価 1000円
皆さん、2017年10月に発見されたオウムアムアをご存じでしょう? また、2019年7月に見つかったボリソフ彗星もご存じですよね。どちらも、太陽系外からの1回限りの来訪天体だったことで有名ですから。つまり、もうどちらも見かけることはできません。ボリソフ彗星の方は噴出ガスが認められましたから、その名の通り彗星でした。ですが、オウムアムアの方は、ガスを生じさせない単なる岩石棒でした。さあ、これで問題が生じました。太陽系からバイバイする時になぜ加速したのでしょう? 本書130〜132ページに書かれているように、今のところ理由は不明です。
また、地球温暖化が今や常識のように議論されていますが、一部の科学者はいまだにこれから地球は寒冷化する(特に2035年以降)と主張しています。そもそも、17〜18世紀になぜ地球全体が寒冷化し、あるいは平安時代はなぜ平安だったのでしょう? 宇宙は現在加速膨張していると言われますが、なぜなのか。宇宙にはいまだに謎がメチャクチャあり、だからこそ、評者のような毎晩夜空を見上げ、楽しいな、面白いな、幸せだなとほくそ笑んでいる変人がいるのです。本書は、そのような人にモッテコイの本、もちろん普通の人にも楽しめる本。筆者は東大教養学部卒の中学・高校の物理の先生。幼少時「宇宙の果てはどうなっているのだろう?」と疑問を持ち続け、それが今に繋がったそうだ。同感!