- 地人書館 刊
- 21.7 x 15.9cm、181ページ
- 2014年5月
- ISBN 978-4805208755
本書を完読した時、筆者は最高の充実感を感じ、嬉しさが込み上げた。これこそまさに、そして直ちに本天文書評にアップし皆さんにご紹介しなくては、金井三男の面目が立たないと決心した。これほど身近な最新宇宙科学の話題を研究者自ら、どなたにもわかりやすく深く解説した本に出会うことが多くないからである。あぁ、私の研究分野である変光星関連では、いつこのような本が出版されるのだろう!
だってそうでしょう? 一昨年のチェリャビンスク隕石や、ツングースカ現象、恐竜を絶えさせた隕石については、テレビ局でも大きく取り上げられている現代。本書のテーマは正にそのことなのだから。過去のことだけでなく、皆さんや皆さんのご子孫の今後に大きく関わることが真に詳細に書かれているのだ。それに対して変光星はへの字も出ない!
過去のことといえば、訳者の山田さんは山田君といってもよい。筆者の大学の後輩、それも超優秀な後輩で、英語はペラペラ。皆さんはFEN(現AFN)という英語のラジオ放送をお聴きになったことあります? 彼は確か毎晩それを聴いていた。大学入学当初から地球周回衛星の情報に精通し、卒業後の就職先でそれらの情報をテレホンサービス(今ならネット)で一般の人に伝えておられた。そんな後輩だから軽く先輩を超え、超一級洋書を訳出したというわけ。願わくは直径30m超の天体が皆さんの存命中にぶつかりませんように!