- 地人書館
- 256ページ
- 定価 1166円
他の年鑑・年表と異なり、まさしく手帳サイズの本書。うっかりすると所在不明になりそうな、手のひらに乗るくらいの大きさだが、内容は他書にも負けないほど広範なもの。とくに最後の方の天文資料は、きっと皆さんの勉強になります。観測の合間にぜひお読みください。
なかでも、1982年以降の天文記録は役立つはず。評者は、西暦前から歴史上の様々な現象や仕事を纏めた天文カレンダーをここ数十年間作成しており、A4用紙で500ページにもなる。これを使って、星ナビに毎月文章を書かせてもらっているが、この手のデータは必ず役立つ。面白いですよ。
たとえば:1982年7月 長周期食変光星ぎょしゃ座εが主極小を開始/83年6月 海王星が恒星を掩蔽/84年 青森市に隕石が落下/85年 米・ウィルソン山の100インチ望遠鏡が閉鎖/86年 火星が大接近した後、月による食/87年2月 大マゼラン雲に超新星が出現/88年7月 国立天文台が発足/89年2月 皆既月食中にレグルス食/90年9月 土星に白斑/91年8月 ペルセウス座流星群が大出現/92年9月 毛利衛さんがスペースシャトル・エンデバー号に乗って宇宙飛行/93年1月 天王星と海王星が合/94年7月 木星にSL9彗星が衝突/95年5月と8月 土星環が消失/96年8月 南極出土の隕石中に生命体らしきものが見つかった/…。