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星ナビ星ナビ「月刊ほんナビ」に掲載の書評(原智子さん他)

編集部オンラインニュース編集部による書評

ハッブル宇宙望遠鏡 宇宙の絶景 太陽系から、130億光年離れた彼方の銀河まで

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ハッブル宇宙望遠鏡 宇宙の絶景 太陽系から、130億光年離れた彼方の銀河まで
 

  • 沼澤茂美 著、脇屋奈々代 著
  • 三笠書房
  • 15×10.6cm、221ページ
  • ISBN 978-4837984481
  • 価格 864円

長らくプラネタリウム業界でお仕事をされ、その番組製作を続けてこられた方々にふさわしく、見事な写真集であると同時に、正確で判りやすい天文書である。最新情報集としても、たとえば重力波、ミルカミーダの形成、ラニアケア超銀河団、アインシュタイン・リング、エンケラドスの間欠泉、ビッグリップ等々満載の本書である。

本書を導入として、いろいろな専門書に関わっていただければ、わざわざ大学や大学院に行かなくても、現代天文学を趣味として楽しんでいただくことが可能である。その意味で、評者は本書をカルチャーセンターの受講生の昔天文少年少女だった皆さんに、ぜひお勧めしたいと思っていると同時に、本書は近年続々と出版されている天文図鑑の中で、トップクラスのものであると評価したい。

中でも、ビッグリップ、ビッグチル・ビッグクランチの説明図は、ごくごく簡単な表示ではあるが、少なくともこのような言葉を初めてご覧になる方には、この図でじゅうぶんであろう。端的で明快である。それもこれも、全てHSTの成果であって、まるで天体のごくそばでそれを観察していると言えるような解像度が高い画像は、それだけで今我々は地球上ではなく、宇宙の中に生きているのだということを実感させてくれる。HSTとその開発関係者に心から感謝の意を表したい。著者達と出版社の方々にも…。

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