- ベレ出版
- 13.5×18.8cm、202ページ
- ISBN 978-4860644420
- 価格 1,620円
評者は変光星観測者。食変光星アルゴル50年の観測? に較べれば、現一等星中近々第一位の超新星候補星ベテルギウスの観測歴はたったその十分の一。だが、増光量・ガス放出量・経過・歴史的話題性など、その影響力は比較にならないほど大きい。従って、アルゴルについて少しでも記載された単行本は、ここ数年お目にかかることが出来ない。実に寂しい限り。
ベテルギウスについては、昨年からの本書評でも何度か取り上げさせて貰ったように、またネットでも話題になっているように、知名度は高い(もちろん本書でも第6章コラムで判りやすく説明されている)。このため、星が死ぬとはどういうことか、理解されている読者は食変光星のそれより多いはずだ。
だが、本書で一度それを整理してみることをお勧めしたい。微に入り細に入り詳細に判りやすく説明されているからだ。特にIa、Ib、Ic、II型超新星の種類分けとその意味合いについて、本書ほど詳しく説明された本は、これまでお目にかかったことが無い。さすが宇宙の突発天体を研究対象として、国立天文台で観測に励んでおられる著者の面目躍如である。本書を読んで変光星観測に興味を抱いてくださる方の、出現を待つ。