- ベレ出版
- 221ページ
- 978-4860646110
- 定価 1760円
第一章冒頭にある言葉、「中心にまします太陽と…」を読んだ途端、筆者の頭に「天にまします我らの父よ」という聖書中の祈祷文がよぎり、巻末著者紹介欄を見て、全てを理解した。著者は東大理学部卒、宇宙物理学(昔流に言えば天文学)専攻の理学博士で、現在国際基督教大学で教鞭をお執りになっておられるという。クリスチャンかどうかは不明だが、「まします」がミッションスクール卒の評者には懐かしく響いた。
それはともかく、「観測がわかれば宇宙がわかる!「と表紙のメッセージにあるとおり、今や日本をはじめ世界各国が宇宙探査に大枚を叩いているワケは、コロナウイルスや戦争の危機よりも、宇宙を知りたいという基本的な欲求からだ。これこそが人類共通の「謎」であり、「夢」だからであることが、本書を読んでどなたもよく理解できるはずだ。
そして、そこには見事なユーモアや洒落がある。例えばDSCOVR(Deep Space Climate ObserVatoRy)をはじめ、STEREO(Solar TErrestrial Relations Observatory)、あるいはARTEMIS(Acceleration, Reconnection, Turbulence, and Electrodynamics of the Moon's Interaction with the Sun)等々、いずれもエスプリが効いた、遊び心溢れるニックネームなのだ。本書でそのワケを徹底的に理解いただきたい。結構面白いですよ。もちろん各探査機の使命や役割も、こだわり天文書評愛読者の皆さんは、じっくり勉強してください。