- 三才ブックス
- A5判、151ページ
- ISBN 978-4-86199-206-3
- 価格 1,680円
発売からほどなくして重版が出たほどの人気の一冊。評判に違わず、本書は日本の人工衛星を語る第一級の資料といえる。
専門家が書いた本でないところが一番の特徴で、アマチュアが知りたい知識がかゆいところに手が届くように説明されている。分かりやすく読みやすく、その上詳細で、もちろんビジュアルである。宇宙時代にふさわしい芸術的資料集なのだ。
詳細すぎて。評者のごとき老齢者には字が細かく、しばしばめがねを外して表面に目をくっつけて読まねばならないのは少々辛かった。それほど内容が盛りだくさん。気楽に読めるが、科学的知識は豊富に身に付く。評者にとって一番参考になったのが、2003年に行われた次世代型無人宇宙実験システムUSERSの説明と、はやぶさの帰還技術である。目前に迫った帰還予定日を安心して待てるというものだ。
間違いなく本書の価値をいっそう高めているのが、監修者の松浦晋也さんである。本書をくまなく読めば、最先端と現場を知っている人でなければ想像もつかない事柄が数多く説明されているのだ。
特に宇宙開発もののマニアを自認される方に、本書は特にオススメだ。もっとも、そういう方はすでに本書を買っていそうだが!