- 丸善プラネット 刊
- 18.8×12.8cm、252ページ
- ISBN 978-4863452916
- 価格 1,512円
あの世(あるかどうか)からのお迎え(来るかどうかいずれも知らない)が近年中の評者は、そのときは遺書に、必ず棺桶中に本書を入れて欲しいと書くつもりだ。金井三男記念館(高額費用のため建設の予定はない)に置いておくのは、誠にもったいなく、天国又は地獄に持参し、読むつもりである(地獄で読書が許されるかも知らない)。最新の内容が濃いばかりでなく、評者の生きた糧である連星(アルゴルやアルマーズなど)のことが、近年ほとんど扱われることがなかった寂しい環境下で、本書は久しぶりの快書である。
著者松岡先生は、1972年にブラックホール発見第一号となったはくちょう座X-1のことを五島プラネタリウムでご講演戴こうと宇宙科学研究所をお訪ねした際に、評者は初対面だった。恐らく先生は若造をご記憶無いことだろう。だが、溌剌とした先生の姿が今でも目の中にクッキリである。それから40数年、その間この分野の大発展が、本書全体からマザマザと伝わってくる。
当然ながら易しい本ではない。だが、現代天文学の最先端はここまで来ている、予報もできないような地震学とは、完全に違うことが、皆さんに実感できるはずだ。ベテルギウスの超新星爆発に伴うX線のショック・ブレイクアウトの話など、毎夜の観測時、ハラハラドキドキだ。ブラックホールに色々あることも最新知識となります。ぜひご購入を!