- 言視舎 刊
- 18.9×12.9cm、223ページ
- ISBN 978-4865650471
- 価格 1,944円
本書評は2007年から始まったので、初版刊行2009年の本書の書評が掲載されているのは当然のことと思ったら違っていた。実は、恥ずかしながら今回が初読だったのである。つまり、評者が見逃していたというわけ。勿論、絶対お勧めの本だ!
暦が天文学の一分野であることは、最近の皆さんはあまりご存じなさそうだ。そのせいで、カルチャーセンターで受講生の皆さんに暦についてお話しすると、ビックリされてしまう今日この頃。渋川春海の時代には、天文学と言えば対象がほとんど暦だったのだ。今でも暦日を決めているのは、カレンダー屋さんではなく国立天文台ですよ、というワケ。
評者にはこのことがとりわけ重要で、変光星観測にはユリウス日の知識が必須(理由は通日にある)だ。これをユリウス暦と間違えてももってのほかだが、その辺の基礎知識をぜひ本書で学ぼう! それはともかく、なんで未だに日本では西暦でなく元号なのですか? 明治・大正生まれの人は何歳かすぐ判りますか? また、運転免許証や国民健康保険証の次回改訂日が平成XX年なんて、もう元号(年号)が無くなってるかもしれませんよね。元号を使用しているのが世界でたった日本だけということ、皆さん知っておられます? 幸せになれるというジューン・ブライドの起源がローマ最高位の女神(結婚の神)ユノーに因むことはご存じでした? 暦に関する雑学がこの本には溢れかえっていますよ。