- 東京図書出版
- 18.6×12.8cm、112ページ
- ISBN 978-4866411521
- 価格 1080円
そもそも読者の皆さんは、地球コマをご存じだろうか。別名のジャイロスコープという名前もご存じだろうか。評者は高校教師の経験も持っているので、実験道具として勤務先の理科室にあった。また、子供のころ、科学教材社というお店で購入したこともあった。簡易型でも取り扱いが難しく、おまけに仕組みがよくわからなかったせいもあって、どっかへ行ってしまったもの。だが、あとから船の航海時、とても役立つのだということを知って、後の祭りと相成った。だから、当時からマイナーな物体だった。まして、それを著作にしようという変わった人が出現するとは思ってもいなかった。
だがしかし、思いもよらぬ事で、それが第一線の科学となったのである。あの「はやぶさ2」が探査しつつある小惑星リュウグウ。今や日本の宇宙探査でもチョー有名天体となった。公転方向に対して、自転方向が逆で、北極方向が地球とは反対、すなわち黄道の南極方向に回転軸の北極方向があるというややこしい小惑星であることが、JAXAの発表で判っている。本書第二章までは、国際宇宙ステーションでそれを実験してみようという内容だが、つまり理論ではそれが可能だというが、第三章では、逆行自転しているかもしれない惑星が論じられているのだ。面白いですよ! ただし、多少マニアックな面もあるので、何でも実験することがお好きな方に本書は特にお勧めだ。じっくりお勉強のほどを。