- 海鳴社 刊
- 18.8×13cm、217ページ
- ISBN 978-4875253235
- 価格 1,728円
2013年同著者刊の「宇宙の始まりの星はどこにあるか」で、初めてファーストスターという用語を知った評者。それ以来、日本のファーストスター=谷口先生と勝手に親しんできた。この方が冬は雪深い寒冷地として有名な北海道の旭川出身で、初めは考古学少年、次は虫少年、最後に天文少年、そして大学進学前に天文学科がある東北大学を志望したという経緯を、本書で詳細に知った。ここでお話しするのは何だが、評者は考古学はパス、少年時代に親戚の家があった長野県中野市(生まれは東京神田)で夏休みだけ虫少年三昧だった。でも近所のお兄さんに望遠鏡で土星を見せて貰った4年生の時に、その後の運命は決まった。大学は教育学部だったが、幸い天文学のエラーイ(コワーイと同意)先生にご指導いただき、以来天文に邁進させて貰えた。若干は谷口先生の経緯と似ているはず。
本書を読むと、例えば畑中武夫先生の「宇宙と星」も谷口先生を導いた本だったことが評者は同じ。もう一冊英国の学者アーミティジ著のコペルニクスの伝記「太陽よ、汝は動かず」という本も、評者のその後の人生を決めた。評者出身高校の地質の先生から「天文は金にならないよ」と言われたことも先生と似ている。そうと言われてまでも頑張っちゃったことを、後悔は勿論「あぁ、天文を勉強して良かった」と述懐する今日なのだ。
本書を読んで、将来は天文学者に! という皆さんが溢れ出ることを、心底より願う!