- プレアデス出版
- 265ページ
- 定価 2090円
本書をある大書店の書棚で拝見した折、トンデモ本と勘違いし、かつまた他に求める本があったため、またの機会にと思って帰宅した。その後気になって後日同書店を訪れたが、買った人がいたらしく見当たらなくなっていた。さらにその後、他の書店数店で探し回ったが見つけることはできず、1か月近く経って、ようやく最初の店で購入できたのがこの本。
だって、こんなタイトルの本初めてですよ。本書は、宇宙を料理するという本ではなく、2/3は宇宙の本格書、1/3はナスの赤方偏移焼きなど料理に関する話題である。だからこそ、ウラシマ効果やニュートリノ、T2K実験、重力波、サマータイム、しし座流星群、土星環、系外惑星、浮遊惑星、超新星、ブラックホール、クエーサー、ダークマター、ダークエエルギー、マルチバース等々、最新宇宙の話題の連続。
京都大学の物理学科を卒業なさり、現在は名古屋市科学館に勤務なさっている学芸員。学生時代ロケット・探査衛星に載せる赤外線観測装置の開発に携わったという。評者も五島時代、何度か名古屋に伺ったことがあるが、昔から東京(五島)と大阪(科学館)に挟まれ、独自色を出していた科学館である。おそらくその風土に培われたのだろう、「本書は実に面白い!」の一言。ついでに、出版社は、失礼ながら評者はこれまでに聞いたことがない社名だが、何しろ所在地が長野県安曇野市。評者の父は長野県中野市出身。関係ないか!